1950年の発売から1979年まで製造されていたフォルクスワーゲン社のワンボックスカー。
1967年までの通称“アーリーバス“と1968年以降の通称“レイトバス“の2世代に分類されます。
当初はタイプ1と共通のエンジン・トランスミッションを持ち、乗用モデル・バン・ピックアップなど多彩なボディーバリーエーションがありました。
タイプ2誕生
タイプ2が誕生するきっかけとなったのは1台の運搬車から。
VW工場内で使用されていた運搬車
タイプ1のシャーシを流用して手作りされた運搬車がタイプ2誕生のヒントになったとされています。
運搬車から発想を得て描いた実際のラフスケッチ
タイプ2は「ミニバンの先駆け」
タイプ1は大人4人が乗れる乗用車。
「たくさんの人が乗れ多くの荷物が積める車」
として誕生したのがタイプ2です。
タイプ2の名称
「タイプ2」の名称はタイプ1に続くフォルクスワーゲン2台目のモデルと言う意味でタイプ2。
カタログ名”Transporter”(独トランスポルター・英トランスポーター)
バナゴン・ユーロバンなどを指すT3T4などの呼び名はTransporter内での呼び名の為、アーリーバスがT1・レイトバスがT2となります。
日本での愛称は”ワーゲンバス””デリバン”単に”バス”と呼ぶことが多く、海外では”Samba”サンバや”Combi”コンビ”VWバス”などの名で親しまれています。
生産期間
ドイツでの生産期間は1950年から1979年まで作られました。1950年〜1967年アーリーバス。1968年〜1979年レイトバス。
タイプ2は早い時期からブラジル・メキシコ・南アフリカなどの国々で現地生産され、ドイツでの生産が終わった後年もブラジルでは生産され続け、最終型ではレイトバスボディーに水冷エンジンを搭載したモデルが2013年まで作られていました。
ボディーバリーエーション
タイプ2のボディーバリーエーションは標準ベースモデルで大きく分け5種類。
・パネルバン(デリバリーバン)
・コンビ(乗用・商用コンビネーション)
・マイクロバス(乗用)
・ピックアップ(3人乗りトラック)
・クルーキャブ(6人乗りトラック)
・キャンパー
どのモデルでも多くの部分がオプション扱いだった為その組み合わせまで含めるとタイプ2のバリーエーションは膨大。
車体構造
タイプ1より大きく見えるタイプ2ですが、実は全高以外はタイプ1とほぼ変わらないボディーサイズ。(ホイールベースはタイプ1共通の2.4m)
丸みを帯びたボディーのタイプ1とは違い、四角いワンボックスボディーが特徴のタイプ2ですが、中身はタイプ1と同じドライブトレーンを持つ、空冷水平対向エンジンを搭載したRR(リアエンジン・リアドライブ)
フレームは耐荷重の問題から一般的なラダーフレーム(ボディー非分離式)を採用。サスペンション・ブレーキなどは大型化されたタイプ2専用品を使用。
タイプ1と共通のエンジンだった為、車体重量・積載重量の増したタイプ2では非力さは否めず、対策として二次減速装置”リダクションギア”をリアハブに採用。
低速ギアになったことで最高速は時速80キロ程度とタイプ1より劣りますが、当時としては乗車人数の多さや商用車としての積載量からすると不満が出るほどではありませんでした。
タイプ2登場時は1000ccほどだったエンジンも後に1500cc1600ccに拡大。レイトバスではリダクションギアは廃止され、タイプ2専用トランスミッションになり、エンジンも最終的には排気量2000cc(T-4エンジン)にまで拡大されました。