空冷ワーゲン情報

空冷ビートル3大上級モデルを徹底解説!これを買っておけば間違いない!?

「価値のある空冷ビートルは?」と聞かれ、あなたは何を思い浮かべますか?

オーバル?低年式ビートル?オリジナル?

年式が古くなればなるほど希少性が高くなることがよく知られている空冷ビートルですが、希少性の高さは年式やオリジナル度ばかりではありません。各モデルの中でも「これが1番レア」と言ったモデルがあり、そのモデルらは「普通のビートル」と「高級車」ほどの違いがあり、別格の存在です!

この記事では空冷ビートル全体での最上級モデル、各モデルの上級モデルを紹介!(一般的に入手が可能であろうモデル限定)

空冷ビートル3大上級モデル

  • コンバーチブル(カブリオレ)
  • ラグトップ・セマフォー
  • ディーラー車

※空冷ワーゲンファンの間での定説です。

コンバーチブル

コンバーチブルとは屋根が開閉出来るオープンカーのことです。空冷ビートルのコンバーチブルモデルはビートルが誕生した1938年から1980年まで生産されました。

コンバーチブルの魅力はオープンカーならではの開放感が楽しめるところ。とりわけ空冷ビートルのコンバーチブルは、優れた幌形状から幌の開閉に関わらず、美しいボディーラインと広い室内空間が保持されることに定評があります。

コンバーチブルの希少性はセダンモデルの「46倍」とも言われ、その理由が生産数。ドイツでの空冷ビートル生産台数が約1544万台に対し、コンバーチブルの生産台数は約33万台。単純計算でコンバーチブルはセダンの1/46しか生産されなかったことになります。それに加え、幌車であることから状態のいい現存車は極めて少なく、その希少価値の高さからマニア垂涎の的になっています。

ラグトップ・セマフォー

ラグトップとは?

幌が開閉出来る折りたたみ式のスライディングルーフ。ラグトップ(rag top)は英語で「布製の屋根」という意味です。戦中モデルKDF時代から1963年式スモールウィンドウ(63年製造の64年式含む)まで採用され、64年式からはスチール製のルーフ格納型スライディングルーフへと変わります。

ラグトップの魅力はなんと言ってもその開放感。幌を開けることでオープンエアのドライブを楽しむことが出来ます。風や太陽、景色を感じながら走ることは、非日常的で爽快!

空冷ビートルのラグトップはオプション扱いのアクセサリーではなく、「ラグトップモデル」としての位置付け。後付けが容易なアクセサリーとは違うことから、希少性が高く人気があるモデル。特にオーバルウィンドウ以前のラグトップは数も少なく希少なことから、所有することがマニアやコレクターのステータスになっています。

セマフォーとは?

セマフォーとは方向指示器の1種で、ボディー側面に埋め込まれた棒状の可動式方向指示器です。日本で言うところの「腕木式方向指示器」「アポロウインカー」と同種の物。ビートルのセマフォーはランプが点滅するウインカー(ターンシグナルランプ・フラッシャーランプ)登場以前の方向指示器で、セマフォー内蔵のランプは作動じに点灯するだけで点滅しません。

空冷ビートルでのセマフォー採用期間は、KDF時代から1955年まで(USモデル。ヨーロッパモデルは60年式まで)。56年式からはウインカーへと変わります。

セマフォーの魅力はなんと言っても、そのレトロ感。現行車にはないユニークな動作やデザインにあります。セマフォーがピラーが伸びて点灯し、折りたたまれ収納される姿はレトロで、空冷ビートルの愛らしさゆ引き立たせています。

『ラグトップ+セマフォー』モデル

空冷ビートル1番のアクセサリーである、ラグトップとセマフォーの両方が備わるビートルは、当然ながらビートル最高峰とも言えるモデル!

両方を合わせ持つモデルは、USモデルなら1955年式以前のみ。ヨーロッパモデルなら1960年以前にしか存在しないことになります。どちらも、オーバル前期・スクエアウィンドウ前期モデルと、低年式ビートルの中でもそもそも希少価値の高いモデル。さらにその中で『ラグトップ+セマフォー』となると極端に数も少なく、大変希少価値の高いモデルとなります。

1955年式のラグトップ・セマフォーが備わるオーバルウィンドウ

ディーラー車

ディーラー車とは日本に正規輸入されたビートルのことです。日本での空冷ビートル正規輸入代理店はヤナセで、1953年より輸入を開始。ディーラー車は右ハンドルであることや(左ハンドルもあります)、ヤナセ物特有の日本仕様(ヤナセ仕様)であることも特徴です。ディーラー車は、日本で最も歴史があるビートルと言えるでしょう。

ディーラー車(ヤナセ物)の魅力は、何と言っても「右ハンドル」。並行輸入車のほとんどがアメリカからの輸入である為に左ハンドルで、右ハンドルに慣れた親しんだ日本人にとっては、もっとも乗り慣れやすいビートルが、右ハンドルのディーラー車です。

レアなビートルに出逢えるのもディーラー車の魅力。新車時から日本にあるため、ワンオーナーやシングルナンバー(古ナン)もあり、低走行車や未再生オリジナル車といった激レアビートルに巡り会える可能性があるのも、ディーラー車のメリット。特に、状態のいい低年式ディーラー車(67年以前)は数も少なく希少。逆に高年式であっても、状態のいい車両は近年減少傾向にあり、希少価値が高まる傾向にあります。

ワンオーナー67年式ディーラー車

まとめ

空冷ビートル上級モデルは、「コンバーチブル」「ラグトップ+セマフォー」「ディーラー車」。

  • 「コンバーチブル」はセダンに比べ生産台数が1/46と極端に少ないうえ、幌車であるがゆえに状態の悪い車も多く、状態のいい車両はかなり希少。特に低年式コンバーはマニア垂涎の的。
  • 「ラグトップ+セマフォー」は後付不可の空冷ビートル1のアクセサリー!ラグトップとセマフォーの組み合せが付く1955年以前(もしくは1960年式以前)の低年式ビートルは生産台数も少なく希少です。
  • 「ディーラー車」は右ハンドルなだけでなく、日本が誇る固有の「日本仕様」。並行輸入車には無いヤナセ物特有のディテールが最大の魅力で、レアな個体に巡り会えるのもディーラー車が人気の理由。