NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」1月13日放送の第51話ではトミーの乗るオープンカーで海へドライブへ。
ピンクが鮮やかな、あのオープンカーの正体はカルマンギア!
フォルクスワーゲン・カルマンギア
「カルマンギア」はフォルクスワーゲンが1955年から1974年まで製造販売していた車。
カルマンギアはフォルクスワーゲン・ビートルのコンポーネントを使用し、オリジナルデザインの2ドア/ハンドメイドボディーを架装したスポーツモデル。発売当初はクーペのみでしたが1957年にコンバーチブルも発売。
ボディーデザインはイタリアの老舗カロッツェリアのギア社。車体製造(ボディー製造、組み立て)は、ビートルのコンバーチブルもすでに製造していたドイツの車体製造会社カルマンが担当。「カルマンギア」の車名は、両社の社名を合わせたものです。
遺伝子はポルシェ!
ビートルのコンポーネントをそのまま使用していた為に、お世辞にもスポーツカーと呼べる性能は持ち合わせておらず、「プアマンズポルシェ=貧乏人のポルシェ」と揶揄されることも。
ただ、歴史を振り返えれば、ポルシェとビートルは同じ生みの親「ポルシェ博士」。初代ポルシェ「356」の初期は、ほぼビートルのコンポーネントを流用していたことを踏まえれば、ビートルはポルシェ直系の先祖!世界を代表するスポーツカー「ポルシェ」の遺伝子を持ったビートルは生まれながらにして、スポーツカーになり得る素質を兼ね備えていたとも言えます。実際現在でも空冷ビートルのレースや改造は盛んに行われ、現行スポーツカーにも劣らない性能を持ち合わせた車両も多くあります。
トニーのカルマンギア
ドラマ内に登場するカルマンギアは1958年式のコンバーチブル。カルマンギアとしては最初期のモデルに当たり、現在では大変希少性の高い車両です。一見派手なピンクのボディーカラーも1958年当時のカルマンギア純正色「L352 Cognac 」(コニャック)。
50年代のカルマンギアは60年代以降のモデルと比較して、ヘッドライト位置がやや低いことや小振りな四角いテールランプが特徴で、ファンの間では「ローライト」LowLight、「角テール」(60年代は三日月テール)などと呼ばれています。
撮影車両
車体自体は当時から手付かずのオリジナルではなくレストア車。新車当時は1200cc36馬力だったエンジンは、現在の交通事情を踏まえパワーに余裕のある高年式用エンジンをベースに排気量拡大。トランスミッションもエンジンに合わせてノンシンクロから高年式ビートル用フルシンクロに換装。外観はウッドステアリング、ホワイトウォールタイヤ、ハブキャップ等は非オリジナルですがそれ以外は当時の姿です。
当時カルマンギアは、そのデザイン性の良さや手頃な価格に合わせ、すでに信頼を得ていたフォルクスワーゲンであることから、手軽に乗れるスタイリッシュなオープンカーとして、ヨーロッパ・北米を中心に人気を博しました。累計生産数は約50万台。現在でも世界中に多くのファンが居るクラシックカーです!