昭和の小学生の間でこんな都市伝説が流行っていたことをご存知でしょうか？
「黄色いワーゲン（ビートル）を見ると幸せになれる」
この話の発端になったと言われているのが、日本の皇族、秋篠宮さま（秋篠宮文仁親王、当時「礼宮さま」）が乗っていた「黄色いビートル」。
乗っていた当時は、那須御用邸でのご静養中に上皇さまやご家族とのドライブを楽しんだり、街中や軽井沢などで紀子様とのドライブデートをするなど、まさに「幸せの黄色いビートル」！
そんな秋篠宮さまの「黄色いビートル」ですが、詳しいことは公にされておらず、詳細は不明。
今回、空冷ワーゲンファンサイト「VWStyle」が、少ない当時の写真や映像を元に、様々な角度から「秋篠宮さまビートル」を独自に考察！まとめてみました。
1986年 購入当初の仕様
1986年（昭和61年）礼宮さま（現・秋篠宮さま）20歳の時の写真。ビートル購入から間もない時の写真で、まだこの時は「秋篠宮さまビートル」のトレードマークである「フォードマスク」は付いていません。そして何より気になるのは、フロントのローダウンと、アルミホイール…。
車体（モデル）
車体の年式・モデルは、ズバリ「トーションバーモデルの1976年式。インジェクション」です。
ウインカー位置が75年式以降の仕様で、顔付きはトーションバーモデル。別角度からの写真で、シートのヘッドレストが一体型、マフラーの出口が１本出しなのが確認出来るので、その両者が当てはまるのは「76年式インジェクション」のみ。
76年式には前期にキャブレターモデルもあるので、コレは後期型になります。76年であれば、ボディーカラーは純正の「L-20Aマリノイエロー」。数多くあるビートルの黄色の中でも、比較的濃い目な色で、日本的に言えば「山吹色」に近い色味です。
ホイール
秋篠宮さまのビートルで気になる部分の１つが「アルミホイール」。ワタナベやEMPI 8スポークにも似ていますが、エッジの効いたスポークやゴールドが特徴のこのホイールは、「パナスポーツ製フォーミュラワン」。エンケイと同じく日本製のホイールで、当時はビートル用として14インチと15インチの設定がありました。付けた方も多く、メジャーなホイールです！
車高
ホイールと共に気になるのが、この車高。ノーマルのビートルを知る方ならすぐに気付くかと思いますが、下がってます（フロントのみ。リアノーマル）。86年当時は、車高を下げているカスタムビートルも珍しくはなかったので、下げていること自体は不思議ではありませんが、「仮にも皇室の礼宮さまが車高を下げる？かな？？」とは思います。（特に違法改造ではありませんが）
1989年の仕様
1989年頃には、秋篠宮さまビートルのトレードマーク「フォードマスク」が付いてます。そして下がっていた車高もノーマルに戻ってます。（ホイールはアルミホイールのまま）
フォードマスク
「フォードマスク」とは、ビートルのノーマルフード（ボンネット）と交換する形で取り付ける、古いフォードのボンネット・グリルを模したFRP製のキット。フォードタイプの他にも「ベンツマスク」「ロールスマスク」などがあり、当時の日本国内でも付けている車が少なからずありました。
実はこのキット、フロントフードだけでなくリア用もあります。
若干分かり難いですが、秋篠宮さまのビートルにも付いています。ノーマルではルーバーがありますが、このフードには無く、ナンバープレート周辺の形もノーマルとは違います。ここで１つ気になるのは「インジェクションでルーバー無しはオーバーヒートしなかったのか？」…。
まとめ
秋篠宮さまの黄色いビートルは
- フォルクスワーゲン1976年式タイプ1ビートル
- ヤナセが輸入販売した右ハンドルのディーラー車
- トーションバーモデル
- インジェクション車
- ボディーカラーは76年式純正「マリノイエロー」
- 購入した当初はフロントローダウン、フロントフードはノーマル
- ホイールは「パナスポーツ フォーミュラワン」
- 1989年頃までにフォードマスクへ変更。フロント車高をノーマルに。
秋篠宮さまのビートルは、日本人なら誰しもが知る、日本でもっとも有名な空冷ビートルの１台です！皇族の車としては異色の車種ですが、個性的な秋篠宮さまだからこそ許され、乗れた車かと思います。
付け加え、皇族が日本車ではなくドイツ車であるワーゲンビートルを選んだこと。しかも、アメリカ発祥のカスタムスタイルを取り入れた、鮮やかな黄色いビートル。それを、オシャレに乗りこなす礼宮さまのお姿は、戦後の日本に終止符を打つと共に、新しい時代の幕開けを予感させるに十分な存在として、当時の日本国民の目には映ったことと想像します！
