空冷ビートル

空冷ワーゲン高騰のカラクリ

世間での空冷ワーゲン高騰が目立っていますが、実際本当に価値が上がっているのか?

「オーバルウィンドウが500万」

「タイプ2 23Wなら1000万」

「ビートル1303(マルサン)が300万」

ひと昔前の相場を知る人からは驚きの声が上がるほど。

クラシックカーの価格

そもそもクラシックカーの値段はどう決まるのか?

「クラシックカー」と呼ばれる一定年数経過した自動車では、製造からの経過年数に比例し現存数(流通量)も減少する為、それに伴い希少価値は増すもので、必然的に取引相場も上がる傾向にあります。(需要があればですが)

空冷ワーゲンの高騰

近年の高騰ぶりは「空冷ワーゲンバブル」とも思えるほどですが、その裏にはどんな理由があるのか?

大きな要因は

  • 流通量の減少
  • 世界的需要の高まり
  • 海外流出

過去、ワーゲンバスや低年式ビートルなどは海外から多く輸入されましたが、最近では海外での需要の方が上回り、外国人バイヤーが日本で買付け、海外へ輸出するといった現状があります。現在の国内流通量は、年々の自然減少分と海外流出分を合わせると、かなりハイスピードで減少傾向にあるようです。

とは言え…「希少」「低年式」ではないマルサン(1303)までが高くなったのはなぜか?

マルサンとは

ちなみに「マルサン」とは、正式名称タイプ1“1303“ビートル。ストラットを備えたモデルで、一般的なトーションバーモデルとは異なるボディー形状から「不人気車」として扱われて来た過去を持つモデル。現在、ストラット差別的な見られ方は薄れ、ビートル最終進化形としてファンも多いモデルです。

なぜマルサンが300万?

  • 希少性増
  • 需要増

このような一般的要因はもちろんあると思いますが、価格の上昇は実際「価値」だけでなく、他の要因も大きく影響しています。

簡単に言えば「古くなった」から。

マルサンも単なる「中古車」であった時期はオリジナルで状態がいい車両もたくさんありましたが、現在では約40年が経過し、レストアが必要な車両がほとんどです。

空冷ワーゲンショップではレストアに多大の時間や手間などコストを掛けて仕上げた車両が店頭価格に反映している為、単純に車両価値が「300万」とは違います。

とは言え、世間相場の上限額は実際に「売れる金額」である為、それだけ世間での需要と価値が上がっていることの証です。

空冷ワーゲンの相場

「世間相場」自体が“正当な値付け“によるものだけでなく、便乗価格(値付け)による影響もある為、正当な値付けであるかの判断は難しいのが実状です。

近年は店頭より安価で購入出来るネットオークションで購入する方も増えましたが、それに伴い、世間相場に便乗した「便乗値付け」も目立つようになりました。

空冷ワーゲンの買い時はいつ?

空冷ワーゲンの買い時は「今」。

単純な年式別比較では、20年前と比べ高騰が目立つ車両で約2.5倍から3倍。10年前の価格と比較しても全体的には平均して約100〜200万円ほど上がっています。

それでも現状では一般的な国産新車と変わらない価格帯の為、決して手の届かない「高級車」ではありませんが、この先手の届かない存在になることも十分に考えられます…。